著者
小林 貴 坂本 将吾
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.A_194-A_201, 2017

<p>本研究は、踏切内事故の主要因である遮断直前横断の発生要因を明らかにするために、遮断直前横断の有無と、踏切横断までに運転者が経験した交通状況の関係について、実測調査を用いた分析を行った。 その結果、遮断直前横断の発生には、待ち時間・待ち台数・待ち距離・遮断経験といった運転者の経験が影響しており、車列到着時と車列滞在中では異なる要因が遮断直前横断発生に影響している。車列到着時には待ち台数の多さや距離の長さが影響している可能性があり、車列滞在中には、待ち台数、徐行時間、遮断による停止経験が影響している。徐行時間の増加は、停止時間の増加に比べ、約3倍遮断直前横断を発生しやすくさせる。</p>
著者
小林 貴 坂本 将吾
出版者
一般社団法人 環境情報科学センター
雑誌
環境情報科学論文集 Vol.30(第30回環境情報科学学術研究論文発表会)
巻号頁・発行日
pp.323-328, 2016-11-28 (Released:2016-11-28)
参考文献数
10

本研究では,鉄道踏切における一時停止義務の廃止による環境負荷物質(CO2,NOx,PM)排出量の削減効果を検討した。一時停止義務廃止について2つのケースを設定し,交通量と列車間隔の異なる踏切における環境負荷物質の削減率を算出した。その結果,すべての環境負荷物質について,一時停止無・徐行有では交通量300 台/h以上・列車間隔3分未満の踏切において10% 以上,また,一時停止無・徐行無ではすべての交通量・列車本数の踏切において20%以上,最大70%程度,現状からの削減率が見込めることを示した。PM は交通量による削減率の変化が大きいなど,CO2,NOx,PM では削減率の高い踏切の条件(交通量・列車間隔)が異なることを示した。