著者
坂本 年将
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.251-255, 1994-07-31 (Released:2018-09-25)
被引用文献数
1

トレンデレンブルグ徴候が陰性となるために必要な等尺性股外転筋力値を変形性股関節症患者87例139股において求めた。Sharp角が50度以上でCE角が0度以下のような臼蓋による大腿骨頭の被覆不良例を除き,等尺性股外転筋トルクが,体重の0.82倍と大腿骨頭中心から恥骨結合中心を通る垂線までの距離との積の100%以上,または体重1kg当り0.8Nm以上あれば,ほとんどの症例においてトレンデレンブルグ徴候は陰性になると考えられた。
著者
坂本 年将
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.399-403, 1993-11-01
被引用文献数
2

健常女性15名30股 (正常群)と変形性股関節症患者75例121股 (患者群)において, 最大随意等尺性外転筋力 (最大筋力)を得るために必要な股関節外転運動回数を求めた。患者群は, X線像と臨床症状より, 健側群 (片側性患者の正常側:26股), 臼蓋形成不全群(16股), 前期群(11股), 初期群(22股), 進行期群(36股), 末期群(10股)に分類した。各群において80〜90%の対象股から最大筋力を得るためには, 正常群, 健側群, 臼蓋形成不全群, 前期群, 初期群では少なくとも4〜5回, 進行期群, 末期群では, 少なくとも8回の外転運動が必要であった。最大筋力の発揮に 6回以上の外転運動を要したものは, 正常群, 健側群, 臼蓋形成不全群では全て50歳以上の症例であった。股関節症の進行と加齢は最大筋力の発揮の遅延を引き起こす因子であると考えられた。