著者
三島知剛 一柳智紀 坂本篤史
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.535-545, 2021-03-20 (Released:2021-03-25)
参考文献数
11

本研究の目的は,教育実習において実習生の指導を担当する教員が,教育実習指導を通した自身の学びや教師としてのその後の力量形成につながるかどうかについての認識を検討することであった.その際,小学校及び中学校教員の認識の違いについても着目した.教育実習指導を経験したことがある小中学校の教師を対象とした質問紙調査(有効回答133名)の結果,(1)全体的に学びや力量形成に対する得点が高く,校種間では小学校教員の方が学びや力量形成を高く認識していること,(2)実習指導における指導形態と学びや力量形成の関連が多く見られ,特に実習生と協働して実習を進めるという指導形態が学びや力量形成と関連していたこと,(3)校種別では,実習指導における指導形態と学びの関連については中学校教員の方が多く,実習指導における指導形態と力量形成の関連については小学校教員の方が多いこと,等が示された.