著者
結城 佳子 鈴木 敦子 太田 知子 小林 美子 坂田 三允
出版者
名寄市立大学
雑誌
紀要 (ISSN:18817440)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.23-29, 2009-03

本研究では、家庭での養護者による虐待に着目して近年の我が国における高齢者虐待に関する研究の動向を明らかにし、高齢者虐待に関する今後の研究課題について検討した。分析対象とした研究のうち、事例を対象に質的分析を行った研究では具体的な支援や介入の方法が提言されると同時に、対象者との契約にもとづいたサービスを提供する在宅医療・福祉専門職の支援および研究の限界も明らかにされていた。高齢者虐待に関する研究の今後の課題は、1.地域住民の高齢者虐待に対する意識の高揚化および普及啓発2.保健師・精神保健福祉・心理臨床職による支援および介入3.地域支援システムやネットワーク構築の実践、さらにこれらの理論化であることが示唆された。