著者
坂西 明子
出版者
日本交通学会
雑誌
交通学研究 (ISSN:03873137)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.165-174, 2010 (Released:2019-05-27)
参考文献数
12

1990年代に、京阪神都市圏では都心の雇用が減少し、郊外の外縁部の雇用が大きく成長する就業地の郊外化が生じた。地域間の雇用成長の差異は、都市圏全体としての通勤トリップ数と利用交通手段に影響を与えた。鉄道分担率の高い大阪市では男女とも雇用が減少し、郊外では女性の自動車を利用した通勤トリップ数が増えている。通勤トリップは就業に付随する派生需要であり、その動向を検討する上で、雇用の地域別変化や通勤者の属性と関連付けた考察が重要であることが示唆される。