- 著者
-
山下 裕代
前田 修作
坂谷 敏子
坂下 有
- 出版者
- 一般社団法人 日本糖尿病学会
- 雑誌
- 糖尿病 (ISSN:0021437X)
- 巻号頁・発行日
- vol.55, no.1, pp.12-16, 2012 (Released:2012-02-09)
- 参考文献数
- 8
高血糖は免疫能低下・易感染性を招き,糖尿病は肺結核と同様に肺非結核性抗酸菌症(以下NTMLDと略す)の発症の危険因子と考えられるが,実際に関連があるか否かについては明らかでない.そこで,2005年1月から2007年12月の間にNTMLDの治療・精査目的で入院した患者103名を対象とし,糖尿病治療中あるいはHbA1c(JDS値)が6.1 %以上の糖尿病が強く疑われる患者の有病率とその特徴を調査した.患者全体の糖尿病有病率は26.2 %であったが,男性のみでは38.9 %,女性では14.8 %と男性で有意に高かった.男性の有病率は一般人口のHbA1c 6.1 %以上の糖尿病が疑われる人口よりも高く,男性では糖尿病がNTMLDと関連している可能性が示唆された.