著者
坂野 学
出版者
函館大学
雑誌
函館大学論究 (ISSN:02866137)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.23-45, 2020-03

現代中国の劇作家曹禺の建国後初作品「明朗的天」について、「思想改造」の情況をどのように描いたかを考察する。曹禺は「思想改造」に賛同するのだが、この作品で、集団による運動の場面をことごとく舞台上で再現していない。しかし、それは曹禺の見識とみるべきであって、けっして批判すべきものではないことを提示する。