著者
坪内 健治郎 尾崎 哲児
出版者
一般社団法人 色材協会
雑誌
色材協会誌 (ISSN:0010180X)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.2-6, 2000-01-20 (Released:2012-11-20)
参考文献数
19

アクリル樹脂の溶解性および溶解性パラメータ (SP値) に及ぼす極性基の効果をガスクロマトグラフィー (GLC) により検討した。アクリル酸エチル, アクリル酸とアクリル酸2-ヒドロキシエチルを用いて4種類のアクリル樹脂を合成した。得られたアクリル樹脂を固定相液体としたGLC測定を行い, 比保持容量と (重量分率) 活動度係数を求めた。エタノール, 2-プロパノールは樹脂に極性基を導入すると溶解しやすくなり, その効果はカルボキシル基のほうが水酸基より大きかった。また, ベンゼン, メチルエチルケトン, 酢酸エチルは樹脂にわずかではあるが溶解し難くなる傾向を示した。アクリル樹脂のSP値はカルボキシル基, 水酸基の導入によって増大し, その効果は水酸基の方が大きかった。