著者
垂水 良浩
出版者
詫間電波工業高等専門学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2007

研究目的急速に高齢化が進む日本たおいて、身体的な介護とともに認知症の予防は重要な課題となっている。そろばんは指先・目・耳を使い、高い集中力が必要で、脳神経細胞が活性化されるため、認知症予防に効果があると言われている。最近では認知症予防の講座を開くそろばん塾もある。しかし、従来のそろばんの習得には指導者が必要であり、自分の好きな時間にできなかったり、一人では練習が続期ないなどの問題がある。そこで、以下のことが可能な「USBそろばん」システムを開発し、これらの問題を解決することとした。1.初心者が画面の指示どおりにそろばん入力し、ゲーム感覚で楽しく指使いの練習ができる。2.画面表示による読み取り算、音声による読み上げ算ができる。また、早さと正確さにより段位認定を行う。3.ネットワークを使ったランキングや珠算大会ができる。研究方法・成果珠の状態を光学センサで読み取りパソコンにUSBインタフェースで繋がるそろばんを開発した。11桁のそろばん珠配列に対応した5*11個のフォトリフレクタをマトリックス状に配置したセンサ基板を設計製作した。列ごとにセンサの状態をスキャンすることで、珠の位置をパソコンに取り込む。また、外光補正用センサにより、外光の影響による誤動作を防ぐようにした。画面に実際の珠の動きと連動したそろばんの絵が表示されるソフトウェアを開発した。音声や画面表示で問題を出題し、そろばんで入力された値の正誤を判定する。出題は10問単位で出され、時間と正確さにより段位を表示する。現在、3の機能は実装することができていないが、早期に実現し、実用化を目指したい。