著者
堀口 怜志 井尻 朋人 鈴木 俊明
出版者
一般社団法人 大阪府理学療法士会生涯学習センター
雑誌
総合理学療法学 (ISSN:24363871)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.9-16, 2022 (Released:2022-06-30)
参考文献数
37

【目的】整形外科術後患者に対するリハビリテーションを実施する上で,筋緊張異常への評価・治療が必要となる。近年,臨床において簡易に骨格筋や軟部組織の評価として超音波測定装置が多く用いられており,筋活動を測定することも提案されている。本研究の目的は,超音波測定装置を用いた筋束長評価によって,低強度の筋活動が評価可能か否かを明らかにすることとした。【方法】対象は,健常者9名16肢とした。課題は最大随意収縮の30%以下の等尺性膝関節伸展課題とし,表面筋電計と超音波測定装置を用い筋電図積分値相対値と筋束長変化量相対値を同時測定し,曲線回帰分析を用いて筋束長と筋活動量の関係性を求めた。【結果】曲線回帰分析の結果はr2 = 0.736(p < 0.001)であり,筋電図積分値相対値が増加するほど筋束長変化量相対値が増加することが強く示唆された。【結論】外側広筋に対する低強度の筋活動の評価として,超音波測定による筋束長評価を用いることができる可能性が示唆された。