著者
望月 茂徳 堀江 大輔 蔡 東生
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.6, no.2, pp.76-87, 2007 (Released:2008-07-30)
参考文献数
16
被引用文献数
1

秋の風物詩である紅葉は, 景観コンピュータグラフィクス(CG)において自然な季節感を表現するために欠くことができない現象である. 自然で趣のある紅葉発色は, 空間および時間において複雑性を持ち, 数多くの植物生理学的不確定要因を持つため, 紅葉発色の複雑性を適切に再現した研究は見あたらない. 本研究では, フラクタル頂上関数(Top Function)を用いて, 樹木, 葉の複雑構造を記号空間に写像することにより, 空間および時間における複雑性を持った紅葉発色のCG表現方法について研究を行う. 紅葉の発色部は葉部のみであるが, その紅葉発色進度は樹木中の各葉ごとに異なることから, 紅葉を枝・樹木レベルと葉レベルに分け, 各レベルをRIFS (Recurrent Iterated Function System)の記号空間に写像し, 記号空間上で色関数を定義することにより, 樹木全体を紅葉発色させる空間時系列アルゴリズムを提案する.