著者
塩津 行正
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.137, no.6, pp.241-244, 2011 (Released:2011-06-10)
参考文献数
4

医薬品開発の成功確率は10,000分の1以下と低く,要する年数は10年以上である.投資する研究開発の金額は100億円超と言われており,この成功確率を高めることは重要である.この課題を解決するための1つの手法として,「トランスレーショナルリサーチ」の重要性が高まっており,研究成果の実用化,成功確率を高めるための様々な試みがなされてきている.本稿では,新規抗がん薬,特に「がん分子標的薬」の創製プロセスにおける「トランスレーショナルリサーチ」の果たす役割について概説する.