- 著者
-
塩田 正寛
- 出版者
- 日本鱗翅学会
- 雑誌
- やどりが (ISSN:0513417X)
- 巻号頁・発行日
- vol.2006, no.209, pp.37-47, 2006
- 参考文献数
- 95
・暖冬現象は、最寒期間の平均最低気温が、ある値(茨城県日立市では、ほぼO℃)以下にならないことを示した。・暖冬現象は1987年から始まった。・2005年までのデータによって、暖冬現象が始まると、次の5種が茨城県に侵入し2種が定着したことが確認された。種名 状況 侵入年クロコノマチョウ 定着 1993ムラサキツバメ 定着 2000ウスイロコノマチョウ 1990ツマグロヒョウモン 1地点定着1998ナガサキアゲハ 2000(幼虫)2004(成虫)・侵入した5種の分布は、暖地性植物分布境界線以南の地域である。・クロコノマチョウとムラサキツバメは、茨城県の太平洋岸北上回廊を経て、東北地方南部の太平洋岸(福島県浜通り)に侵入した。ムラサキツバメは、2001年に侵入していたことが確認された。