著者
増栄 成泰 斉藤 昭弘 河田 幸道
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.93, no.4, pp.588-591, 2002-05-20

患者は28歳,男性.1998年6月24日,両下肢の皮膚潰瘍を主訴に当院整形外科を受診.下肢の血流障害が疑われたため同6月30日両下肢の動脈造影を施行したところ,左背側趾動脈の先細り像を認め,Buerger病と診断された.以降,禁煙およびプロスタグランディンI_2(PGI_2略す),血小板凝集抑制剤にて潰瘍は消失したが,同年11月に施行した腹部CTで,両側水腎症を認めたため12月9日当科を紹介された.点滴腎盂造影(DIP),逆行性腎盂造影(RP)等の所見から原因は後腹膜線維症と考えらた.プレドニゾロン(PSLと略す)を投与したが水腎症は改善しないため,両側尿管にステントを留置した.
著者
増栄 成泰 伊藤 康久 楊 陸正 土井 達朗 加藤 範夫
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.91, no.10, pp.683-686, 2000-10-20
被引用文献数
1 1

患者は74歳,男性.1998年11月5日,無症候性肉眼的血尿を主訴に近医を受診.膀胱鏡検査にて左尿管口より出血を認め,静脈性腎盂造影(IVP)にて左腎盂腫瘍が疑われたため,11月17日当科を受診した.CT上,左下腎杯に腫瘍性病変が疑われ,逆行性腎盂造影で左下腎杯頸部の圧排像を認めた.11月26日精査加療目的で当科に入院した.12月3日,喘息発作をきたしたため気管支拡張剤,ステロイドを投与した.同時に心不全も合併したため,アルブミン製剤,カテコラミン,利尿剤を投与した.症状が軽快したため12月16日,左腎摘除術を施行したが腫瘍は認めず,病理組織学的診断はAllergic granulomatous angitisであり,臨床経過よりChurg-Strauss症候群と診断した.諸検査を追加したが,好酸球増多,P-ANCA陽性および血清IgEの高値を認めた.12月29日からプレドニン60mg/dayの内服を開始し,呼吸状態や腎機能は改善したが,1999年1月28日,急性心不全にて死亡した.