著者
増田 久美子
出版者
駿河台大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、ドメスティシティという概念がいかに広範に19世紀米国社会の文化形成にかかわっていたかを検討するため、「白人女性文化」という支配的枠組みに抗して、黒人男性作家の家庭小説にみられるドメスティシティ分析を主眼とした。その結果、ドメスティック・イデオロギーが人種・ジエンダー・階級を横断して多様な人びとに共有あるいは流用されていたこと、また。このイデオロギーが個別の場において特殊な文化的政治性を持ちうることが論証された。