著者
外島 健司
出版者
近畿大学
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.299-310, 2006-12-20

近年,わが国の株式市場において,株式併合を実施する企業が増加しつつあり,同時にその理由も多様化しつつある。本稿では,まず株式併合の目的の整理を行い,株式併合が株式市場にどのような影響を与えるかを,減資を伴う企業とそうでない企業に分け検証を行った。その結果,株式併合は公表日・実施日及びその直後,減資を伴う,伴わないに関わらず,一時的とはいえ株価は下落し,売買高は株式併合実施後,しばらくして緩やかに増加していることが分かった。株式併合は再建企業が実施するものというイメージが投資家にまだ強いが,今後,減資を伴わない株式併合が増加すれば,このイメージは払拭されることと思われる。