著者
久木元 由紀子 藤重 仁子 外村 晴美 五十嵐 淳介 前田 薫
出版者
森ノ宮医療大学 紀要編集部会
雑誌
森ノ宮医療大学紀要 = Bulletin of Morinomiya University of Medical Sciences
巻号頁・発行日
no.13, pp.1-14, 2019-03-20

現在欧米で一般的に実践されている現代ヨガは、アーサナと呼ばれる身体的ポーズに力点をおいたもので、それに体の姿勢、呼吸法、そして瞑想を組み合わせた健康やフィットネスを目的とするエクササイズであり、また補完代替医療(Complementary and Alternative Medicine:CAM)の一療法とも位置づけされるのが一般的になっている。その医学的有効性についての期待も高まっていることから、本研究では、現代ヨガと補完医療における位置付けについて、心疾患・肥満・乳がんの医学的有効性について、エビデンスをレビューしたので紹介する。結果として、ヨガによって生活習慣を改善すると心疾患のリスク因子を低減できる可能性が高いこと、過体重者ではヨガの定期的な実施と体重増加の緩和が関連していること、乳がんサバイバーにおいて不安・うつ・QOLにおいて効果があることなどが示唆された。しかし、それらの効果が運動そのものによる効果なのかヨガに特異的な効果なのかについては明らかにされていないため、今後のさらなる検証を期待したい。