著者
多田 讓治
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.115, no.7, pp.977-984, 2005-06-20 (Released:2014-12-10)
被引用文献数
1

皮膚感染防御の観点から,常在菌叢はその最前線のバリアを担っており,皮脂膜という限られた環境の中で生存しつつ,病原菌からの防御壁として選ばれた細菌群と言える.一方では,免疫不全状態の患者が増加している今日,常在菌による日和見感染症も重要な問題となっている.常在菌叢の感染防御機序とともに皮膚細菌感染症の起炎菌として最も多い黄色ブドウ球菌に関する感染機序についてもさらなる検討が必要である.