著者
大久保 祥嗣 八木 正博
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.14-19, 2021-02-25 (Released:2021-03-04)
参考文献数
9
被引用文献数
1

農産物中に含まれる農薬の分析を,セルフクリーニングイオン源搭載GC-MS/MSにより行うことについて検証を行った.セルフクリーニングイオン源は,測定終了後または測定中常時,イオン源内に水素を一定圧で注入することにより,イオン源の汚染を防ぐ機能を有したイオン源である.セルフクリーニングイオン源搭載GC-MS/MSにより,農産物中の農薬分析を行ったところ,明瞭なイオン源の汚染防止効果がみられた.251種類の農薬成分において良好なピーク感度が得られ,253成分について決定係数(R2) 0.990以上の検量線が得られた.6作物による添加回収試験では180~221成分が,真度70~120%,併行精度25%未満の目標基準に適合した.
著者
大久保 祥嗣 向井 健悟
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.239-246, 2020-12-25 (Released:2020-12-25)
参考文献数
13

農作物に含まれる農薬の多成分簡易迅速試験法の検討を行った.本研究では,精製工程の簡素化および使用する溶媒の量と種類を少なくすることを試みた.試験溶液は農作物のQuEChERS法による抽出液を,3層(C18,SAX,PSA)の固相を積層したミニカラムにより精製して調製し,この試験溶液を大量注入装置・胃袋型ガラスインサート搭載GC-MS/MSにより分析した.この試験法により,8種類の農産物を用いて添加回収試験を実施したところ,241~331成分が,真度70~120%,併行精度25%未満の目標基準に適合した.
著者
大久保 祥嗣 八木 正博
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.47-52, 2020-02-25 (Released:2020-04-24)
参考文献数
12
被引用文献数
3

農産物中に含まれる農薬の試験法として,STQ法(Solid Phase Extraction Technique with QuEChERS method)により試料の前処理を行い,胃袋型インサート・大量注入口装置搭載GC-MS/MSにより大量注入して測定する方法についての検証を行った.6種類の農産物を用いて添加回収試験を実施したところ,238~282成分が,真度70~120%,併行精度25%未満の目標基準に適合した.