著者
松村 潤 松原 豊 高田 広章 大井 正也 豊島 真澄 岩井 明史
雑誌
研究報告組込みシステム(EMB)
巻号頁・発行日
vol.2013-EMB-28, no.7, pp.1-6, 2013-03-06

車載ネットワークのゲートウェイに用いられるCAN-Ethernetプロトコル変換アルゴリズムの研究がこれまでに行われている.従来の手法はCANメッセージの遅れ時間とゲートウェイの処理量の低減に着目している.しかし,どちらかを低減させる手法なので,CANメッセージのデッドライン制約とゲートウェイの処理量のトレードオフを考慮して,適切にネットワークを設計することが困難である.そこで本論文では,CANメッセージのデッドライン制約を満たすことに着目したデッドライン型アルゴリズムを提案する.提案手法は,メッセージの送信周期内に通信が間に合うようにゲートウェイ内での待機時間を調整する手法である.提案手法の評価を行うために,離散イベントシミュレータOMNeT++をベースにシミュレーション環境を開発した.評価実験の結果,提案手法ではデッドライン制約を守りつつ,従来手法に比べてネットワーク負荷を低減できることを確認した.