著者
大原 昌之 羽崎 完 大場 かおり 柴田 健治 森澤 早苗 石原 崇史
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.430-431, 1994-11-30

患側上肢に奇妙な不随意動作を認めた右片麻痺の一症例を経験した。症例は74歳。女性。左前頭葉後部の皮質下出血による右片麻痺を呈していた。発症後6日目に血腫除去術が施行された。発症後約5週頃より右手で眼前の物を不随意的に取り上げる動作を示した。患者の示した不随意動作は道具の強迫的使用現象の不完全型であると考えられた。本症例では, 不随意動作が患者の治療課題遂行やADLを阻害しているのか否かに留意し, 理学療法を実施した。