著者
梅比良 正弘 大友 洋平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SAT, 衛星通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.254, pp.69-75, 2009-10-22

近年、地上ネットワークと衛星ネットワークがお互いに補完し、ユビキタスな通信環境を経済的に実現する衛星/地上統合移動通信システム(STICS)が注目されている。STICSでは、同一の小型携帯端末で、衛星ネットワークと地上ネットワークの双方を利用できることから、災害時や地上ネットワークのサービスエリア外である山間部や海上など、いつでもどこでも通信サービスを確保することができる。衛星/地上統合移動通信システムの特徴の一つは、衛星/地上共用携帯端末の実装を容易にするとともに周波数の有効利用を図るため、衛星移動通信に割当てられた周波数を衛星/地上システムで共用する点にある。本報告では、STICSにおいて、衛星/地上システムの周波数共用の検討を行うための拡張システムモデルを示す。また、本モデルに基づき、衛星セルで使用する周波数を地上セルで再利用する場合のノーマルモードとリバースモードの周波数運用方法を比較した結果を述べ、周波数共用においては、地上ネットワークのアップリンクにおけるトラヒックコントロールが必要であることを示す。