著者
大塚 弘毅
出版者
杏林医学会
雑誌
杏林医学会雑誌 (ISSN:03685829)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.171-178, 2019-12-27 (Released:2019-12-26)
参考文献数
13

同じ臓器のがん種でも遺伝子異常は多様性を有することが明らかとなり,がん治療は臓器別から遺伝子異常に応じた治療すなわちがんゲノム医療へと変わりつつある。次世代シーケンスの登場により,がん関連遺伝子異常を網羅的に解析し,患者の治療薬や臨床試験に結び付けることを目的としたがん遺伝子パネル検査が可能になった。これにより個々の患者のがんゲノムプロファイルに応じた最適な治療の実現につながることが期待される。現在わが国では,がん遺伝子パネル検査として,日本で開発されたOncoGuide™NCCオンコパネルシステムと米国Foundation Medicine社で開発されたFoundationOne®︎CDxがんゲノムプロファイルの2つの検査法が承認されている。本稿ではこれらの2つの検査法を中心にがん遺伝子パネル検査とがんゲノム医療について解説する。