著者
大塚 潤一 豊満 義邦 西中川 駿
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.441-455, 1980
被引用文献数
1

キュウシュウノウサギ (以下<I>Lepus</I>) , アマミノクロウサギ (<I>Pentalagus</I>) および家兎JW-NIBSの頭蓋骨・胴骨を形態学的ならびに骨計測学的に検索した。<BR>1) 尾椎数は<I>Lepus</I>が10~12個, <I>Pentalagus</I>が10~11個およびJW-NIBSが15~17個である。<BR>2) <I>Pentalagus</I>の上顎臼歯数が5個という従来の記載は, この種属の識別用形質とは認められない。<BR>3) <I>Pentalagus</I>の眼窩および鼓室胞は極端に小さい。<BR>4) JW-NIBSの脳頭蓋の長さおよび頸椎, 胸椎, 腰椎の椎孔の幅は, 他の二者より小さい傾向を示す。<BR>5) 腰椎の棘突起および横突起の形状および大きさは, 三者間に明白な差異がある。<BR>6) 骨の計測値の変異係数は, JW-NIBSが最も小さい。