著者
大塚 陽菜 横窪 安奈 ロペズ ギヨーム
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3B3GS1105, 2022 (Released:2022-07-11)

これまでの教育現場では,授業の説明中や課題取り込み中,授業者は生徒の表情から精神状態や理解度などの要素をうかがって,授業内容の調整や,適切なタイミングでの声掛けなどが可能だった.しかし,昨今コロナ禍においてマスク越しでは常に生徒の表情が分からないため,授業内容の理解ができず困っているなどの要素が把握できず,授業者として,適切な指導が行いにくく,授業者・生徒も精神的な負担の増加につながっている.本研究では,コロナ禍における教育現場でマスク越しのコミュニケーション課題を改善するため,授業中における学生の気持ち通知システム「MaskForce」を開発した.システムは,学生のマスクに脈拍センサを取り付け,脈拍間隔情報を取得し,授業者の情報端末へ通信する.また,脈拍変動解析により,各学生の精神状態をリアルタイムに推定し,可視化することで,授業者はどの学生が困っているかを随時把握し,適切なタイミングでサポートに回ることができることがわかった.そのため,今後授業内容の理解向上,課題の達成効率向上などが期待できる.