著者
大岡 一夫 荻野 直彦 川西 宣男
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
窯業協會誌 (ISSN:00090255)
巻号頁・発行日
vol.89, no.1033, pp.516-523, 1981-09-01 (Released:2010-04-30)
参考文献数
10

誘導加熱によるガラスの溶融は, 炉構造が簡単で操作性, 遠隔制御性もよい. 更に溶融ガラスを直接誘導加熱する直接誘導溶融では, 高温に耐え, 長寿命のセラミックポットを使用できる利点も付加できる. この特長に着目し, 直接誘導溶融こよる “模擬高レベル廃棄物” のガラス固化法の試験を行った.3MHz及び400kHzの発振周波数をもち, 65kWの連続出力の発振器を用い, 内径170-325mm, 高さ600mmの5種のセラミックポットを使用して直接誘導溶融を実現した. 直接誘導のため起動は炭化ケイ素棒の誘導加熱によって行われ, 起動後はこの起動棒を系外に取り去って以後は連続的に直接誘導溶融を続けることができた.模擬廃棄物の混合粉末にガラスフリットを添加した原料を用い, 内径325mmのポット中での直接誘導溶融によって11.8kg/hの溶融能力が得られた. 各ポットの溶融試験によって直接誘導溶融のための条件が定められ, かつこれらの条件下での電気的, 熱的性質について解析, 評価を行った.