著者
大平 明彦
出版者
日本神経眼科学会
雑誌
神経眼科 (ISSN:02897024)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.47-51, 2015-03-25 (Released:2015-05-25)
参考文献数
4

モノビジョン法に基づく屈折矯正眼鏡の,後天性の両眼複視に対する軽減効果について報告する.眼筋麻痺による複視に悩む3名の高齢患者にモノビジョン眼鏡を処方した.これらの患者は斜視手術あるいはプリズム眼鏡の適応のない症例であった.眼鏡の屈折度数は,優位眼は遠方視に合わせ,非優位眼は近方視にあわせた.3患者とも眼鏡による複視の軽減を明瞭に自覚できた.1名は外出時には常用したが,2名は随時使用にとどまった.モノビジョン眼鏡は,複視を改善する他の方法では満足できなかった患者には試みられてもよい方法と考えている.