著者
森本 弘一 大木 規子 飯盛 香織
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践研究指導センター
雑誌
教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:09193065)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.83-92, 1997-03-31

幼児教育を中心とした初等教育で原体験の必要性が叫ばれている。原体験とは、自然環境を触覚・嗅覚・味覚を伴う視覚・聴覚の5官(感)で知覚することを重視したものである。しかし、子どもたちの生活環境の変化とともにそれを行うことが難しくなってきた。そこで、幼稚園生活の中で原体験を取り入れることができるよう原体験ワークシートを作成した。ワークシートの有効性を検証するために奈良教育大学教育学部附属幼稚園で実践を行った。検証したワークシートは、カタツムリ、ザリガニ釣り、草笛を作る・クズの葉鳴らし、クスノキのにおいと樟脳の舟、ムクロジのシャボン玉である。ワークシートにより、子どもたちの反応に違いはあるが、いずれも子どもたちの満足度は高く、ワークシートの有効性が確かめられた。幼稚園の実情や幼児の実態に合わせながらワークシートを取り入れたさまざまな保育が展開されることを期待する。