著者
森本 弘一 大木 規子 飯盛 香織
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践研究指導センター
雑誌
教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:09193065)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.83-92, 1997-03-31

幼児教育を中心とした初等教育で原体験の必要性が叫ばれている。原体験とは、自然環境を触覚・嗅覚・味覚を伴う視覚・聴覚の5官(感)で知覚することを重視したものである。しかし、子どもたちの生活環境の変化とともにそれを行うことが難しくなってきた。そこで、幼稚園生活の中で原体験を取り入れることができるよう原体験ワークシートを作成した。ワークシートの有効性を検証するために奈良教育大学教育学部附属幼稚園で実践を行った。検証したワークシートは、カタツムリ、ザリガニ釣り、草笛を作る・クズの葉鳴らし、クスノキのにおいと樟脳の舟、ムクロジのシャボン玉である。ワークシートにより、子どもたちの反応に違いはあるが、いずれも子どもたちの満足度は高く、ワークシートの有効性が確かめられた。幼稚園の実情や幼児の実態に合わせながらワークシートを取り入れたさまざまな保育が展開されることを期待する。
著者
奥田 喜八郎
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践研究指導センター
雑誌
教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:09193065)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.13-21, 1993-03-31

In biblical tradition, the rainbow is God's sign in the sky, set there after the Flood as a promise that the world would never again be destroyed by water. Pagan mythologies and folklore have seen it as a spirit (in Burma and among the Zulus, as a dangerous demon), or a weapon used by the gods, or as asoul-bridge (in China and Japan). In India, and also in Finland, it was the bow from which the thunder-god shot his lightning-arrows. In ancient Scandinavia, it was Bifrost, the bridge that Odin built from Midgard, the home of men, to Asgard, where the gods dwelt. Along it passed the souls of the dead, if they were worthy to do so. If they were not, they were destroyed by a fierce fire which is visible to us here below as the red colour in the bow.
著者
中窪 寿弥 船越 勝
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践研究指導センター
雑誌
教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:09193065)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.117-129, 1997-03-31

生活科も本格実施から5年目を迎え、一つの転換点を迎えている。私たちは、このような問題意識から、子どもが自らの問いを持ち、主体としての学びを展開していくなかで、確かな学力と人格を育てる新しいタイプの生活科の実践の創造を追求してきた。本研究は、二年間にわたって、単元「麦茶をつくろう」の開発に取り組んだものであり、大麦の持っ教材的価値と実践的可能性について明らかにした。
著者
椋本 洋 八尾坂 修
出版者
奈良教育大学教育学部附属教育実践研究指導センター
雑誌
教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:09193065)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.51-64, 2000-03-31

生徒指導は生徒一人一人が「日々いかに生きるか」という課題に、具体的にかかわりながら、彼らの自己実現を援助していく営みである。急激な社会の変化の波にさらされる今日、生徒達の在り方・生き方は、きわめて多様であり複雑である。そのような現状の中、いわゆる問題行動は、「深刻化する少年非行―戦後第四の上昇局面」といわれるように増加しており、その行動パターンにも変化が見られる。このような状況の中、「学校は心を育てる場に」と期待されている。高等学校で実施されている指導方法としてほ、問題行動を起こした生徒に対する「懲戒」という対処療法的指導と道徳教育やカウンセリングなど時間をかけた原因療法的指導があるが、実際には、前者の指導に追われる学校が多くならざるを得ない現状がある。そこで、本稿では、取り上げられることの少ない「懲戒」に焦点をあわせ、その問題点を明確にし、さらに近年家庭の教育力の低下などによって増加しつつある「学内停学」の実態を調査し、その課題を考察し課題解決への方向を明らかにしたい。