著者
藤井 徹也 玉腰 浩司 中山 和弘 大林 実菜 田中 悠美 篠崎 惠美子
雑誌
聖隷クリストファー大学看護学部紀要 = Bulletin Department of Nursing Seirei Christopher University
巻号頁・発行日
vol.22, pp.45-52, 2014-03-31

本研究は、看護師養成機関における性同一性障害(gender identity disorder : 以下GID とする)学生の演習・実習指導などについて、受け入れ経験者から得た具体例を検討した。対象は、身体的性は女性であるが自己認識は男性であるFTM(Female to Male Transsexual)学生の受け入れ経験のある教員3名である。結果、GID 学生の治療状況により、演習などのグループやトイレ、更衣室の使用が変化した。特に身体の外観的が男性と認識できれば、男子学生として受け入れ、女性であれば女子学生として受け入れていた。女子学生として受け入れた場合は、本人の意向によりユニフォームの考慮や演習時のペアを特定するなどの対応が必要であった。今回の3事例に関わった教員は、全てGID 学生の相談などを担当し、演習や学内行事の前にGID 学生と話し合いを行うことで、最善な対策を選択することを心がけていた。