著者
大柴 慎一郎
出版者
高野山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

当該研究は、弘法大師空海が編纂した現存する日本最古の漢字字書である『篆隷萬象名義』(高山寺本)の校訂研究を行ったものである。『篆隷萬象名義』は基本的に唐写本の『説文解字』と『玉篇』を一つにまとめた字書である。その中には小篆・古文・籀文・俗字などの字体・字形が含まれているが、その伝本である高山寺本(国宝)には多くの誤字脱字が存在し、使用するに堪えない。従って、本研究は原本『玉篇』残巻や『開成石経』などの資料を用いて『篆隷萬象名義』の校訂本を作成し、現代にこの日本最古の字書を復活させることを目指したものである。