著者
岡崎 雄交 大槻 竜宏 宮阪 和世 並河 忠男
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.17, no.10, pp.1228-1233, 1968 (Released:2009-06-30)
参考文献数
3
被引用文献数
3 3

荷電移動複合体形成により黄色を呈すると考えられる高濃度(0.05M)のニコチン酸アミド-アスコルビン酸(1:1)混合溶液について直流ポーラログラフの挙動を検討し,次のような結果を得た.i)黄色を呈する高濃度溶液ではピリジニウムイオンとアミド基に基づく還元波以外にピリジニウムイオンを形成せずに存在するアスコルビン酸の水素波を与える.ii)黄色を呈する高濃度におけるアスコルビン酸の酸化波高は黄色を呈する度合(ニコチン酸アミド>ピリジン)に比例して増大するが,呈色しないベンツアミドとの混合液ではほとんど変化しない.また黄色を呈しない濃度(0.005M)ではいずれの場合も波高は減少する.iii)高濃度におけるニコチン酸アミド-ヨウ化水素酸混合液の挙動もニコチン酸アミド-アスコルビン酸混合液の場合とよく類似している.