著者
大橋 宏樹 新城 靖 齊藤 剛
雑誌
コンピュータシステム・シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.95-104, 2011-11-23

この論文は,ソケットアウトソーシングという手法を用いて仮想計算機モニタ内で IPv4/IPv6 変換を行う方法を提案している.ソケットアウトソーシングは,ゲスト OS のソケット層の処理をホスト OS に移譲することでネットワーク入出力を高速化する.この論文では,ソケットアウトソーシングを高速化ではなく機能拡張に用いることで,IPv4/IPv6 変換を実現している.この時,IPv4 クライアントを動作させるために,ホスト OS 上で動作し,仮想計算機モニタと協調して動作する DNS プロクシを用いている.提案方式は,ホスト OS とゲスト OS ともに Linux で動作している.10G bps のネットワークにおける実験では,提案方式が実機上での IPv6 による通信とほぼ同等のスループットが得られた.