著者
大橋 宏樹 新城 靖 齊藤 剛
雑誌
コンピュータシステム・シンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.95-104, 2011-11-23

この論文は,ソケットアウトソーシングという手法を用いて仮想計算機モニタ内で IPv4/IPv6 変換を行う方法を提案している.ソケットアウトソーシングは,ゲスト OS のソケット層の処理をホスト OS に移譲することでネットワーク入出力を高速化する.この論文では,ソケットアウトソーシングを高速化ではなく機能拡張に用いることで,IPv4/IPv6 変換を実現している.この時,IPv4 クライアントを動作させるために,ホスト OS 上で動作し,仮想計算機モニタと協調して動作する DNS プロクシを用いている.提案方式は,ホスト OS とゲスト OS ともに Linux で動作している.10G bps のネットワークにおける実験では,提案方式が実機上での IPv6 による通信とほぼ同等のスループットが得られた.
著者
吉田 惇 齊藤 剛
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.143-144, 2016-03-10

2次元画像から3Dモデルを作成するための方法は種々報告されているが、本研究では、階層型の3Dモデル構造であるシャドーボックスによる3D化を試みる。 シャドーボックスとは, 紙に描かれた模様や形を切り抜き, 立体的に重ねるペーパークラフトである. 本研究では, 入力画像を領域分割しグラフカットにより切り抜き, シャドーボックスの各レイヤを作成することにより、1枚の画像から作成する楽しみを残しつつ, インターラクティブにシャドーボックスが生成できるシステムの開発を行う. 本稿では, 作成各段階での手法について述べる.
著者
中島 瑞季 松永 皐希 横井 聖宏 齊藤 剛
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.2_51-2_58, 2021-09-30 (Released:2021-11-03)
参考文献数
19

電子書籍での読解における物語世界への没入感に着目し,レイアウトデザインに注意の集中を促すマスクをかけると読解時の注視点と没入感にどのような影響を与えるのか検討した.実験は輝度勾配を用いたマスク 2 種とマスク無しの計 3 種類に対して視線計測を行いながら読書をしてもらったのち,没入感評価とレイアウト評価を行うものである.その結果,マスクをかけると一定の場所に注視点が集まり,没入感の向上に繋がることが明らかとなった.しかし,マスクと文字色が近い場合はスクロール時に文字がちらつくことで気が散るため,読解に集中できず没入感の向上を望めない.そのため,マスク色と文字色の関係がスクロール動作によってどのように変わるのか考慮することがデザインを決定する上で必要となることがわかった.
著者
三神 厚 辻野 典子 齊藤 剛彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_1034-I_1048, 2013 (Released:2013-06-19)
参考文献数
30

昭和南海地震において,高知市に襲来した津波波高はさほど高くなかったにもかかわらず,河川堤防が決壊し,高知市は長期にわたり甚大な浸水被害に苦しめられた.当時の地震被害調査報告によれば,高知市内の11箇所で堤防が決壊したと報告されているが,著者らの知る限り,断片的な被害情報はあるものの,それらが1つにまとめられた資料はない.著者らは利用可能な様々な資料をもとに,昭和南海地震による高知市の堤防被害箇所の推定を行ってきた.最近になり「高知市震災復旧工事箇所」なる資料を見出し,また高知大学地震観測所より被害写真の提供を受けたので,著者らの推定結果との比較を行ったところ,概ね整合した.「高知市震災復旧工事箇所」等,新たな情報をもとに堤防被害の要因について再検討したところ,1600年以降の埋立地や地形分類,Vs30の値が被害の程度を左右していることなどがわかった.
著者
齊藤 剛彦 三神 厚 中野 晋
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.I_861-I_871, 2013

著者らはこれまで南海地震の揺れの体験談を多数集めて,震源特性の推定を行ってきた.その際,常に問題となるのが体験談の解釈の不確実性の問題であった.本研究は,南海地震と同じく海溝型巨大地震である東北地方太平洋沖地震の強震観測記録とそれから推測される揺れの体感,さらに実際の体験談を併せて用いることで,昭和南海地震の体験談の解釈の方法について検討を行うものである.例えば昭和南海地震では「揺れが水平動から上下動に変化した」や「揺れが段々激しくなった」という体験談が複数得られ,著者らは多重震源理論に基づき解釈を試みていた.今回,東北地方太平洋沖地震で得られた強震記録を用いて標準的な体感を表す振動レベルを算出したところ,水平動から上下動への変化や揺れが段々激しくなったと体感したと思われる強震記録が複数の観測点で得られていることが明らかになり,これまで著者らが行ってきた体験談の解釈法がある程度確からしいことが確認された.
著者
山崎 敏正 井上 勝裕 齊藤 剛史
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

以前の科研費(基盤研究(C)サイレントスピーチBCI、平成23年度~25年度)では、頭皮脳波を利用したsilent speech Brain-Computer Interface in Japanese(SSBCIJ)において、個々のサイレント母音とサイレントなひらがな2文字のdecodingにとどまっていた。本研究では、健常者において、日本語で、サイレントの3文字以上から成る単語および文節のdecodingを可能にするアルゴリズムの開発と、患者(脊髄性筋萎縮症Ⅰ型)への適用を目指した、real-time SSBCIJシステムの設計を検討した。
著者
齊藤 剛史 小西 亮介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.4, pp.1105-1114, 2007-04-01
被引用文献数
42

本論文では視覚情報を利用して人間の発話内容を理解する,いわゆる読唇において高認識率が得られるトラジェクトリ特徴量を提案する.トラジェクトリ特徴量は,口唇領域または口内領域より計測できる面積とアスペクト比の二つの特徴量をもとに,発話により生じる2特徴量の時間的変化を口形の軌道として表現される.認識はトラジェクトリ特徴量に二次元DPマッチングを適用する.(1)車椅子制御用10単語と(2)数字10単語の動画像において,これまで提案されている特徴量とトラジェクトリ特徴量の比較実験を行った結果,従来特徴量で最も高い認識率は(1)92.5%,(2)72.0%であったのに対し,トラジェクトリ特徴量は(1)99.5%,(2)83.5%の高認識率を得た.また処理速度,発話速度を考慮して擬似的にフレームレートを変更して比較実験を行った結果,従来の特徴量で最も高い認識率は69.5%であるのに対し,トラジェクトリ特徴量では98.0%と高い認識率であった.これより,トラジェクトリ特徴量は発話速度に対してロバストであり,かつ高い認識精度を有することを確認した.
著者
田代 裕子 齊藤 剛
出版者
画像電子学会
雑誌
画像電子学会誌 (ISSN:02859831)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.725-732, 2010-09-25
著者
齊藤 剛史 金子 豊久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1419-1429, 2001-07-01
被引用文献数
20

本論文では野草の自動認識法について提案する. 一つの野草について真上かそれに近い斜め上の角度から撮影した花画像と葉画像の2枚を1セットとして用いる. クラスタリング法を用いて各画像から対象物(花, 葉)を抽出し, 花画像から10個, 葉画像から11個の特徴量を求め区分的線形識別関数により認識を行う. 我々は春から初夏にかけて大学キャンパス付近に生育する34種各20セットの野草を収集し実験を行った. 実験結果ではすべての特徴量(21)を用いた場合96.0%の認識率を得た. 次に認識において特に有効な特徴量を選び出す実験を行い, その結果花画像から6個, 葉画像から2個の特徴量が有効であることを示し, 96.8%の認識率を得ることができた.