著者
大橋 幸美 浅野 みどり
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.5_45-5_53, 2010-12-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
52

育児期の親性尺度を開発し,その信頼性と妥当性を検討することを目的に、859人の親(484人の母親と375人の父親)を対象に分析を行った。育児期の親性は,自己への認識と子どもへの認識という2方向性を持ち,さらに自己への認識は,親役割の状態と親役割以外の状態に分かれる2側面3下位領域でとらえた。育児期の親性尺度(試作版)は,69項目5段階のリッカート-スケールとした。結果33の項目が選択され,想定通りの3下位領域が命名された。33項目全体のCronbach’s α 係数は0.94で,3下位領域は0.87 ~ 0.90であり,内的整合性が確認できた。再テスト法では,親役割の状態がrs=0.85,子どもに対する認識がrs=0.78,親役割以外の状態もrs=0.66と安定性が確認できた。母性意識尺度との基準関連妥当性からも妥当性も確認でき,育児期の親の理解と支援に向けて有用な尺度であると考える。