- 著者
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大橋 淑起
- 出版者
- 一般社団法人 日本薬局学会
- 雑誌
- 薬局薬学 (ISSN:18843077)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, no.1, pp.1-10, 2021 (Released:2021-04-27)
- 参考文献数
- 8
近年,社会による薬剤師への期待感が急速に高まっている.薬剤師の働き方は,調剤を中心とした「対物業務」から,患者が薬を服用した後までフォローする「対人業務」への変革が求められている.一方で,その期待とは裏腹に,薬剤師の業務量はますます増大しており,多くの薬剤師が疲弊してきていることも事実である.薬剤師が対人業務に専念するための唯一の解決策が,非薬剤師「コファーマシューティカルスタッフ(CPS)」の活用である.CPS は,一般的な調剤事務とは異なり,業務内容は多岐にわたる.そのため,薬局内で CPS が安全に働くための環境を構築することが必要となってくる.この環境構築の基本的な考え方は,「業務フローの整理と見直し」と積極的な「機械化・ICT化」の 2 点に集約される.貴薬局に CPS を導入するためには,①経営者による方向性の決定,②薬剤師・CPS の意識改革,③CPS が働くための環境整備が必要となる.