著者
桑田 一也 青原 栄子 大橋 美代子 三村 真弓 濵本 恵康
出版者
広島大学学部・附属学校共同研究機構
雑誌
学部・附属学校共同研究紀要 (ISSN:13465104)
巻号頁・発行日
no.37, pp.109-114, 2008

音楽科では, 今後, 日本音楽を学習内容としてとりあげていくことに改善の余地がありそうだ。また, 昨年度までの研究成果として, 「異校種異学年交流」の学習によって, 他者を意識する思いが培われ, それを土台に子どもたちの感性および表現力を高めていくことができることが徐々に分かりつつある。そこで, 本年度は新たなものを創造することで子どもたちが意欲的に学習に取り組み, その結果自分たちがつくり出す音楽に感動し豊かな情操が育成されるのではないかと考え, 本実践を試みた。4年生と7年生による合同授業「『さくらさくら』のアレンジに挑戦!」では, 桜が咲いているイメージを膨らませ, 箏, リコーダー, 小楽器, 歌唱のアンサンブルを創作させていった。その中で, 7年生は音楽を練り上げるためのリーダーとなり, 4年生とともにしっかりとコミュニケーションをとることができるように授業者2人が意思疎通を図りながら支援を行った。その結果, 子どもたちに自分とは異なる考えにふれて新たな考えや技能, より高い価値を獲得して一人ひとりの思考や表現を深めていくことができ, 協同的創造学習の1モデルを開発することができた。