著者
大櫃 敬史
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

米国からわが国に伝えられた近代体育の諸相を特定の宗派-コングリゲーショナル派(会衆派)-に注目をして、日本及び米国に所蔵されている史料によりその内実を検討した。結果として、当初アメリカン・ボードは、キリスト教を日本に布教する傍らその一手段として体育の布教を目論んでいた事実が判った。その際リーランドを日本に派遣したアマースト大学は、コングリゲーショナルの力強い支持を得て成立した大学であり、わが国への体育移植に当たっても、人的・教育的また思想的にも夥しい影響を及ぼしていることが判明した。リーランド帰国後も米国政府は、長い間日本でのアマースト方式の体育の行方に関心を示していた事実も明らかになった。