著者
大河内 眞也
出版者
東北大学
雑誌
産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 探索タイプ
巻号頁・発行日
2012

我々は間葉系幹細胞(MSC)が分泌する液性因子STC1(Stanniocalcin-1)が、1過酸化ストレス軽減、ミトコンドリア機能改善を介して肺胞上皮細胞を保護すること、2STC1の気管内投与が間質性肺炎動物モデルの線維化を軽減すること、を見出し特許出願した。しかしいくつかの癌でSTC1高発現例が報告されており、投与による癌化誘発の懸念がある。MSCが障害局所に集積する作用を持つことに着目し、STC1過剰発現MSCを作成、投与し、肺障害局所への効率的STC1デリバリーと癌化リスク低減を可能にすることを本課題の目的とした。今回我々はSTC1過剰発現MSCを作成し、動物モデルにおける研究より上記目的をほぼ達成した。今後、臨床応用に向けた研究、技術移転などを展開する予定である。