著者
鹿野 弘 大沼 康 佐々木 丈夫
出版者
宮城県農業・園芸総合研究所
雑誌
宮城県農業・園芸総合研究所研究報告 (ISSN:13472232)
巻号頁・発行日
no.69, pp.50-57, 2002-03

組織培養によるイチゴの大量増殖苗を、果実生産用の栽培株として利用する場合、及び子苗増殖用の親株として利用する場合の実用性について検討した。 栽培株として利用する場合、微小な大量増殖苗を定植期までさらに育苗する必要があり、8月上旬に夜冷短日処理を行う作型において、ポット育苗では夜冷短日処理前45日程度、セル成型苗では、夜冷短日処理前30日~40日の育苗日数が適当であった。慣行ランナー苗によるポット育苗との収量比較では、大量増殖苗のポット育苗は同等~やや多収であった。大量増殖苗を親株として利用する場合は、茎頂培養後に3代ランナー増殖された慣行ウィルスフリー株と比較して、ランナー及び子苗の発生数は優れた。また、慣行ウィルスフリー苗由来に比較し、大量増殖苗に由来する子苗の果実収量は高く、着花数が多く、1果重はやや低下する傾向にあった。果実品質の差は認められなかった。
著者
鹿野 弘 大沼 康 佐々木 丈夫
出版者
宮城県農業・園芸総合研究所
巻号頁・発行日
no.69, pp.50-57, 2002 (Released:2011-03-05)

組織培養によるイチゴの大量増殖苗を、果実生産用の栽培株として利用する場合、及び子苗増殖用の親株として利用する場合の実用性について検討した。 栽培株として利用する場合、微小な大量増殖苗を定植期までさらに育苗する必要があり、8月上旬に夜冷短日処理を行う作型において、ポット育苗では夜冷短日処理前45日程度、セル成型苗では、夜冷短日処理前30日~40日の育苗日数が適当であった。慣行ランナー苗によるポット育苗との収量比較では、大量増殖苗のポット育苗は同等~やや多収であった。大量増殖苗を親株として利用する場合は、茎頂培養後に3代ランナー増殖された慣行ウィルスフリー株と比較して、ランナー及び子苗の発生数は優れた。また、慣行ウィルスフリー苗由来に比較し、大量増殖苗に由来する子苗の果実収量は高く、着花数が多く、1果重はやや低下する傾向にあった。果実品質の差は認められなかった。