著者
大津 佐知江 佐伯 圭一郎 草間 朋子
出版者
大分県立看護科学大学看護研究交流センター
雑誌
看護科学研究 (ISSN:24240052)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.21-28, 2009 (Released:2017-11-28)
参考文献数
12

外来看護師が看護師としての専門性を発揮するためにはそれを発揮できる環境整備が不可欠と考える。本研究は、外来看護の質向上のための環境整備をすすめるうえの情報を入手することを目的とし、全国の一般病院の看護部長65名を対象に、「医療情報システム」「診療アシスタント」「診療の補助業務の中央化」など10項目の外来看護環境システムの導入状況を調査した。さらに、外来看護師592名を対象に、環境整備に関する項目の導入状況と「看護職者職業経験の質尺度」を用いた看護職者の質との関連を調査した。今回調査を行なった施設で80%以上導入されていた項目は、「医療情報システム」「診療アシスタント」「診療の補助業務の中央化」であった。また、導入が遅れている項目は、「キャリアラダーによる配置」「人事考課」「専門・認定看護師」「専門外来」「外来機能分離」であった。これらの外来看護環境に関連した項目を導入している施設は、していない施設の外来看護師より「看護経験の質」尺度得点は高く、外来看護の質を保つ上で導入の必要性が示唆された。