- 著者
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大澤 公一
- 出版者
- 公益社団法人 日本語教育学会
- 雑誌
- 日本語教育 (ISSN:03894037)
- 巻号頁・発行日
- vol.150, pp.71-85, 2011 (Released:2017-02-17)
- 参考文献数
- 10
大学修学能力試験(CSAT),日本留学試験(改定前EJU),日本語能力試験(改定前JLPT)に出題された非音声領域の既出757項目,および日本語Can-do-statements(CDS)尺度60項目によるモニター試験を韓国内で実施した(N=4,647)。項目反応理論の2母数ロジスティックモデルを適用して3試験に共通する一次元の日本語能力を尺度化した結果,各試験の項目困難度の分布の中央値を基準としてCSAT,JLPT4級,3級,2級,1級,EJUのように難易度の序列が付与された。次にCDSの達成困難度と3試験の難易度との対応付けを一般化部分得点モデルによって行った。その結果,韓国語母語話者においては「話す,聴く」課題より「読む,書く」課題の方が達成困難であると考えられていることが判明した。これに加え,3試験の難易度を質的に解釈するための言語4技能別のCDS達成困難度パラメタが付与された。