著者
大田 昌樹 小田 絵里佳 片岡 駿友 佐藤 善之 猪股 宏
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.251-258, 2018-05-15 (Released:2018-05-17)
参考文献数
19
被引用文献数
2

本研究では,経口物質に対して安心安全な製造法である超臨界流体を用いて,乳製品副産物に含まれる機能性成分であるphosphatidylcholineとsphingomyelinの効率的分画を目的としてこれら成分の溶解度推定を検討した.まず既往の実験データのある,バターオイルからのtriacylglycerolにおける超臨界CO2中の溶解度と比較を行った結果,本研究で推定した溶解度とほぼ一致することが確認された.次に,PCおよびSMの溶解度の溶媒密度およびエタノール濃度依存性の解析を行った結果,いずれの条件においても実験的な溶解度を推定することができた.PCおよびSMは高価であり標準試薬が入手しにくい状況でこれまで超臨界流体中の溶解度データも報告されていなかったが,本研究で行った抽出モデルによる解析により溶解度を実験的に推定することができた.