- 著者
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親松 裕典
鈴木 晴子
大畑 賀央
成田 久仁夫
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
- 雑誌
- 日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.5, pp.586-592, 2017-07-15 (Released:2017-07-15)
- 参考文献数
- 16
目的)開胸術後鎮痛において,アセトアミノフェン定時点滴注入(点注)併用フェンタニル持続静脈内注射(静注)が硬膜外麻酔を代替する可能性を探求した.方法)アセトアミノフェン定時点注併用フェンタニル持続静注群(AF群)と硬膜外麻酔群(Epi群)の2群に分類し,後方視的に比較検討した.結果)患者数はAF群が19例,Epi群が25例であった.術後鎮痛効果は第1病日の咳嗽時のみでAF群が劣っていたが,それ以外では両群間に有意差を認めなかった.離床の遅れに差はなかったが,Epi群でリハビリ時の血圧低下が,AF群で悪心嘔吐が多く,それぞれの要因でリハビリに若干の支障を生じた症例があった.結論)アセトアミノフェン定時点注併用フェンタニル持続静注は,悪心嘔吐や咳嗽時の疼痛に対策する余地があるが,比較的良好な鎮痛効果があり,硬膜外麻酔の合併症を回避できる等の利点もあるため,開胸術後鎮痛法の一選択肢となり得る.