著者
大石 沙耶 土方 嘉徳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.3O5GS1304, 2020 (Released:2020-06-19)

社会情報学の研究分野では,SNSにおける人々の精神的健康に関する研究が多く行われている.例えば,人々のうつ症状があるかどうかであったり,社会比較を行いがちであるかどうかであったり,嫉妬や妬みを感じているかどうかであったりである.特に,嫉妬はうつに繋がりかねない心理状態であるため,うつの防止や予防には十分な理解が必要である.従来研究では,どのようなユーザが社会比較を行いやすいかと嫉妬を感じやすいかについて,様々なSNSで調査が行われてきた.しかし,どのような投稿内容に対して,人々が嫉妬を抱きやすいかは,まだ研究が行われていない.そこで,本研究では,投稿の話題の特別感と,投稿に含まれる写真に写っている人の関係,投稿のテキストの長さに着目し,これらが嫉妬の抱きやすさと関係があるかどうかを,ユーザ実験により明らかにする.Instagramにおいてペルソナのアカウントを作成し,実際の投稿を用いて,嫉妬を感じるかどうかを答える実験を行った.収集した回答データに対して重回帰分析を行ったところ,誰と一緒にいるかのみが,嫉妬の感じやすさと関係があった.