著者
小坂 直輝 小林 哲則 林 良彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.3Rin477, 2020 (Released:2020-06-19)

近年,インターネット上で個人が小説を投稿できる,小説投稿サイトが多数開設され,数多くの作品が投稿されている.こうした作品はweb小説等と呼ばれ,これらの中には商業用に書籍化・映像化される作品も存在している.一方でこれらweb小説に関して,その作品数の多さから読者が好みの作品を探すのが難しいという問題や,人気の作品や最新の作品といった限られた少数の作品に大多数の読者が集中し隠れた良作が出来てしまうという問題がある.本研究の目的は,上記問題点を解決し,ユーザが作品を探すのを助ける推薦システムを実現することである.具体的には,作品の本文とジャンルやキーワードといった付属情報から,作品の類似度や質を推定することで,読者の評価情報が無い作品の推薦や,ユーザによる推薦基準の操作が可能な推薦システムを試作し評価を行った.結果として,作品の類似度や質を一定の精度で予測でき,試作したシステムが隠れた良作を発掘するのに有用であることが示唆された.
著者
成田 悠輔 矢田 紘平
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.2I5GS205, 2020 (Released:2020-06-19)

機械学習を利用した意思決定を行う際、過去に使われたことのない新しい意思決定アルゴリズムの性能を予測したい場面が多々ある。私たちは、過去に使われたアルゴリズムの下で蓄積されたデータを用い、新たなアルゴリズムの評価を行う方法を提案する。この方法は次の観察に基づく。機械学習を利用して意思決定を行う場合、そこから生成されるデータには、選択がランダムに行われるA/Bテスト的状況が含まれるという観察だ。例えば、多くの確率的な強化学習・バンディットアルゴリズムは選択をランダムに行うため、ほとんどA/Bテストそのものである。また、教師付き学習で予測された何らかのスコアがある基準値を上回るかどうかで選択を変えるアルゴリズムを考える。この場合、基準値付近では、ほぼ同じ状況であるにもかかわらず異なった選択が行われるため、同じくA/Bテスト的状況とみなせる。私たちはこの観察を一般の機械学習アルゴリズムについて定式化し、アルゴリズムが自然に生成したデータを用いてアルゴリズムを改善する手法を提示する。この手法が使える場面は、ウェブ広告配信から裁判の判決や金融機関の審査、そしてデータ駆動教育・医療まで多岐にわたる。
著者
大和田 直希 鈴木 智也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.2L4GS1305, 2020 (Released:2020-06-19)

本研究では新しいアセットクラスである暗号資産に着眼し,共和分ペアトレード戦略の有用性を検証した.暗号資産は通貨間の相関関係が強く,互いに共和分関係にある可能性が高い.もし通貨ペアが共和分の関係にあれば,ペアの価格差は定常過程となり平均回帰性を有する.そこで価格差が均衡水準から乖離した時,相対的に割高な通貨を売り,割安な通貨を買う.そして乖離が元の水準に回帰した後に反対売買により収益を得る.この共和分ペアトレードが暗号資産市場においてどの程度機能するか検証すべく,実際の暗号資産データを用いて投資シミュレーションを実施した.さらに共和分関係が壊れるリスクを考慮し,分散投資によって収益を安定化できることを確認した.
著者
今城 健太郎 南 健太郎 伊藤 克哉 中川 慧
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4Rin120, 2020 (Released:2020-06-19)

株式投資におけるポートフォリオ構築は金融分野で重要な課題である.本論文では,株式市場における共通因子をヘッジしたあとに残る残差リターン (residual return) という概念に着目し,その分布予測に基づいてポートフォリオを構築する新しい手法を提案する.提案手法の特徴は,単純なスペクトル分解を用いることで残差リターンの情報を抽出すること,および金融時系列に特有のスケール不変性を考慮した新しい深層学習のアーキテクチャを利用した分布予測を行うことである.本論文では,日本の株式市場のデータを用いた実証実験によって提案手法の有効性を示す.
著者
大石 沙耶 土方 嘉徳
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.3O5GS1304, 2020 (Released:2020-06-19)

社会情報学の研究分野では,SNSにおける人々の精神的健康に関する研究が多く行われている.例えば,人々のうつ症状があるかどうかであったり,社会比較を行いがちであるかどうかであったり,嫉妬や妬みを感じているかどうかであったりである.特に,嫉妬はうつに繋がりかねない心理状態であるため,うつの防止や予防には十分な理解が必要である.従来研究では,どのようなユーザが社会比較を行いやすいかと嫉妬を感じやすいかについて,様々なSNSで調査が行われてきた.しかし,どのような投稿内容に対して,人々が嫉妬を抱きやすいかは,まだ研究が行われていない.そこで,本研究では,投稿の話題の特別感と,投稿に含まれる写真に写っている人の関係,投稿のテキストの長さに着目し,これらが嫉妬の抱きやすさと関係があるかどうかを,ユーザ実験により明らかにする.Instagramにおいてペルソナのアカウントを作成し,実際の投稿を用いて,嫉妬を感じるかどうかを答える実験を行った.収集した回答データに対して重回帰分析を行ったところ,誰と一緒にいるかのみが,嫉妬の感じやすさと関係があった.
著者
清水 亮洋 富樫 陸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.1H4OS12b02, 2020 (Released:2020-06-19)

クーポンマーケティングにおけるUplift Modelingの正しい評価とは何でしょうか?昨今、クーポンマーケティングの費用対効果を向上させるために、Uplift Modelingの適用例が増えてきています。多くは、Uplift Modelingを用いることで、本当にクーポンが必要な人だけにクーポンを配り、費用対効果を向上することを目的としています。しかし、実際にはUplift Modelingにおける評価指標とクーポンマーケティングにおける費用対効果の構造を正しく把握しなければ、きちんと費用対効果を向上することができない可能性があります。私たちは、従来のUplift Modelingの評価指標が正しく費用対効果に結びつかない例を提示し、これを解決することのできる新しい評価指標を提示します。
著者
杉本 隼斗 久野 文菜 谷口 航平 濱川 礼
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.1F3OS2a01, 2020 (Released:2020-06-19)

本研究では、アボカドの食べ頃判断支援を目的とした深層学習によるアボカドの追熟段階分類手法を提案する。アボカドは収穫後、追熟を経て食べ頃を迎える果物であり、一般消費者に食べ頃の見極めが要求される。アボカドの食べ頃を見極めるには、主に果皮の色や質感、硬度などが指標とされる。しかし、これらの指標は曖昧であり、熟練者でなければ正確な判断は困難である。 このような問題に対し、様々な追熟段階分類手法が提案されているが、特殊デバイスが必要とされる手法が多く、一般消費者が手軽に利用可能な手法は少ない。また、深層学習の画像認識による手法は提案されていない。深層学習は高精度な分類が期待され、一度データを学習させたモデルを利用すれば、ユーザは画像入力のみで出力結果を得ることが可能であるため、アボカドの追熟段階分類においても有効であると考えた。 そこで本研究では、深層学習を用いたアプローチによってアボカドの追熟段階分類を行った。深層学習はアボカドの果実検出にYOLOv3、追熟段階分類にVGG19を使用した。評価の結果、果実検出では高精度な検出が可能となったが、追熟段階分類では多くの改良点が残る結果となった。
著者
市川 佳彦 酒本 隆太
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.2L5GS1303, 2020 (Released:2020-06-19)

本研究ではビットコインのDifficultyと価格の関係を分析する。ビットコインはProof of Work(POW)というコンセンサスアルゴリズムを採用して、ネットワーク全体の信用が担保される仕組みとなっている。そしてその仕組みを維持するためマイニングを行うマイナーに報酬を設定している。この報酬はマイニングの難易度を示すDifficultyに依存し、マイナーが増えたり、マイニングの技術革新が起きるとDifficultyは上昇する。中長期的にはビットコインの価格とDifficultyは正の相関関係があるといわれているが、短期的な関係についての分析は行われていない。この関係を明らかにするために、本研究では2010年~2019年のデータを用いてビットコインの価格、Difficulty、ビットコインの取引高、他の金融資産の価格の相互依存関係をモデル化し、統計的な分析を行った。分析の結果、ビットコインのDifficultyの変化はビットコイン価格に大きな影響を与えることが分かった。一方、他の金融資産の価格がビットコイン価格に与える影響は見られなかった。
著者
岩田 航季 鈴木 麗璽 有田 隆也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4C2GS1302, 2020 (Released:2020-06-19)

AIプレイヤーは,囲碁等の二人完全情報ゲームでは,プロの人間に勝つ段階に至っている一方,人狼等の多人数不完全情報コミュニケーションゲームでは未だ大きな課題である.我々は,AIプレイヤー作成を通じて人間の認知特性の理解を目的とし,連想カードゲームDixitを対象に研究を開始している.Dixitはすべて異なった絵柄のカードを用い,手番では選んだカードから連想される言葉を言う.他プレイヤーはそれに関連するカードを1枚出す.そして,手番以外のプレイヤーが投票するが正解者が0か全員だと手番プレイヤーは得点が得られないというゲームである.他プレイヤーの思考や連想が重要となる. 本研究ではGoogle Cloud Vision APIを用いた絵柄からのラベル抽出,MeCabとword2vecを用いたラベルと言葉間の類似度計算により,AIプレイヤーを実現した.AIプレイヤーを交えたゲームを行った結果,人間はAIの投票先の傾向を感じ取り,手番時にはAIには連想困難で,人間には連想しやすい言葉を積極的に用いる戦略を取ることが認められた.今後,AIプレイヤーの強化を通じて,人間の認知の特性を明らかにしていく.
著者
福田 宏幸
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4K2GS302, 2020 (Released:2020-06-19)

広告やマーケティング活動において、世の中の流行(トレンド)をいち早くキャッチし、それを新たなビジネスに繋げることは不可欠になっている。一方で、世の中に多数の情報が溢れるにつれ、近年、流行の賞味期限は、日に日に短くなり、流行の移り変わりが激しくなっていると感じられる。本研究では、流行を反映していると考えられるTwitterのデータを活用し、生存時間分析等により流行の賞味期限を可視化する。
著者
菅本 守 弓林 司 片桐 奏羽 菅本 晶夫 藤本 直明 コリン レッドパス
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4I3GS201, 2020 (Released:2020-06-19)

ハートラインはカブトガニの視覚が側抑制のメカニズムを持っていることを発見した。側抑制とは、強い刺激をより強く、弱い刺激をより弱くするメカニズムである。側抑制の機構によって、外界の様子をはっきりと捉えることができる。本研究では、側抑制のメカニズムを応用することによって、エッジ検出の新しいフィルターを作った。それらはラプラシアンフィルターを含むより一般的な定式化である。
著者
川畑 光希 松原 靖子 本田 崇人 今井 優作 田嶋 優樹 櫻井 保志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4K2GS303, 2020 (Released:2020-06-19)

顧客生涯価値(LTV)は顧客評価における重要な指標であり,LTVを正確に予測することで顧客に対しより適切なマーケティングを行うことが可能になる.本稿では,購買ログデータを対象とし,顧客ID,商品ID,時間の組みで表されるイベントシーケンスから潜在的な購買特性を発見し,それらに基づくLTV予測を行うための手法を提案する.実データを用いた実験では,提案手法が与えられた購買ログの中から有用な購買特性を発見し,従来手法よりも高い精度でLTV予測を行うことを確認した.
著者
髙岡 昂太 坂本 次郎 橋本 笑穂 北條 大樹 古川 結唯 菊池 愛美 佐藤 瑛洋 先光 毅士 山本 直美 鈴木 聡
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1D4GS1305, 2020 (Released:2020-06-19)

日本では推計で毎年500人の子どもが虐待で死亡している。親が嘘をつく場合や、子どもが加害者から脅され話せないなど、正確な情報収集が難しい課題がある。ベテラン職員であっても判断を誤ることがあるため、虐待対応には判断の質の向上が喫緊に求められる。さらに、増加する虐待通告件数に対応する施策も満足に打てていないことが問題である。申請者らは現場職員の判断を支援し、かつ虐待件数増加に対応する施策決定に向けたAI実証実験を2019年7月より始めた。現場と達成目標をすり合わせた上で、一時保護すべきケースの見過ごしを無くすため、予測精度の高い勾配ブースティングを実装した。また、将来的な再発率や重篤度の算出には、現場の説明責任を担保するため、因果推論を行う確率モデリングを採用した。試行の進捗として①現場の業務フローの差異の把握、②データ収集の調整、③パラメーターチューニング、④UI/UXの改修を含むアジャイル開発、⑤ICTが得意または苦手なユーザーへの研修の配慮など、社会課題解決に向けた社会実装で得た知見について発表を行う。
著者
于 楊 日永田 智絵 堀井 隆斗 長井 隆行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4F2OS25a03, 2020 (Released:2020-06-19)

近年,スマートフォンやタブレットなどデジタル端末の発展により,ユーザーが視聴できる動画は膨大な量に達している.こうした中で,消費者のニーズに対応するパーソナライズされたビデオコンテンツの分類,検索および配信は依然として解決すべき課題である.一般に,人間は情緒的特性に基づいて映画や音楽を選ぶ傾向がある.従って,感情喚起を分析することで,この課題に対して一つの指針が得られる可能性がある.動画によって喚起される感情は,オーディオとビデオの両方のモダリティに関係している.そこで本研究では,マルチモーダル情報の統合によって動画による感情喚起を推定する深層学習モデルを提案する.映画データベースを用いた実験により,マルチモーダル情報を統合したことによる推定性能の変化について検証し,従来手法に比べ推定精度が向上することを示す.また最近話題となっているAutonomous Sensory Meridian Response (ASMR) 動画を解析し,感情喚起と閲覧回数,高・低評価数など視聴者の行動との関係性を検証する.
著者
全 珠美 水野 貴之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.2E5OS1b02, 2020 (Released:2020-06-19)

HYIPは高い利益を得ると広告して参加者を集めるポンジ詐欺の一種である。この投資プログラムはリスクが高いにも関わらず参加者は集まって経済的な被害を受けることになる。本研究では、ビットコイン市場で観察されたHYIPに関する取引データを用いて、この投資プログラムが活性化し崩壊するまでのメカニズムを分析する。HYIPプログラムから利益を貰うか貰わないによって、肯定的または否定的なフィードバックのループが発生する。参加者たちはネットワークを形成していて、彼らの模倣行動によって投資金額はLog-periodic的なパターンで成長する。この現象は株式市場のバブル形成・崩壊のメカニズムと同様である。本研究では、代表的なバブル時の株価予測モデルであるLPPLモデルを応用しHYIPの活性を予測する。この研究は今後、仮想通貨市場で現れるポンジ構造の詐欺プログラムの追跡や効果的な規制の研究につながると期待する。
著者
伊藤 克哉 南 賢太郎 今城 健太郎 中川 慧
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.4Rin167, 2020 (Released:2020-06-19)

近年、金融分野において、機械学習的手法を用いた定量的な金融予測手法の開発が実務的にも学術的にも盛んである。 しかし、機械学習を用いた定量的金融予測モデルの開発には三つの困難がある。まず、原理的に全てのモデルは短命でかつ、ほとんどチャンスレートの正解率しか達成できない。次に、取引戦略という特殊なルールを一般的な機械学習モデルが学習することは難しい。最後に、高い予測精度とモデルの解釈性を同時に達成することが難しい。これらの問題に対処するべく我々は、Trader-Company法という新しいメタヒューリスティクスを用いた予測アルゴリズムを提案する。Trader-Company法は、単純な予測アルゴリズムであるTraderとTraderを管理するCompanyからなる。提案手法は、短命で弱いモデルが大量に存在する実際の金融市場の特性を反映している。また取引戦略の枠組み内で最適化を行うため、最適な予測戦略を作成できる。そして個々のTraderは人間に理解に可能な戦略からなるので解釈可能である。我々は提案手法の有効性を、実際の株式市場のデータを用いた実験で確認する。
著者
山下 達雄 寺岡 照彦 田口 拓明
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4Rin131, 2020 (Released:2020-06-19)

Wi-Fiの接続情報のみを用い、オフィス内における社員同士のコミュニケーションの発生を検知する簡易な手法を開発した。 ノートPC等のデバイスのWi-Fi接続状況を利用した社員位置検索システムのログを収集し、各デバイスの位置情報の時間変化を分析してミーティング(時間と場所の共有)の発生を検知し、人間関係を抽出する。 実際のデータを用いて評価を行い、手法の有用性を確認した。
著者
金子 和樹
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.3M5GS1205, 2020 (Released:2020-06-19)

近年, アマチュアスポーツにおいても選手のデータから試合でのパフォーマンスを容易に分析できるようなプラットフォームが求められている. アマチュアサッカーにおいても, 所属する環境や指導者の力量によらず誰もが上達することを目指し, ITツールを用いてトレーニングの向上や選手の評価を行なうアプリが実用化されている. しかしこれらのアプリでは, 人間による手動での評価を前提としており, 選手の映像から自動的に評価をすることは現状では困難である. そこで本研究ではシュートシーンの姿勢に着目して、選手の映像から自動的にプレイを評価・分類することを目標にしている. 具体的には, シュートシーンの姿勢の座標をOpenPoseによって取得し, Barfieldらが提唱したシュートの質的要点を基に特徴量を生成した. その特徴量を用いて機械学習により 85%の正解率(accuracy)で分類することができた.
著者
延原 玄弥 内田 英明 阿部 和規 藤井 秀樹 吉村 忍
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.1I4GS205, 2020 (Released:2020-06-19)

地図情報を用いた交通流シミュレーションを実施しようとする際、実在する道路ネットワークに近い特徴を持つ仮想の道路ネットワークを用いると都合がよいことがある。本研究の目的は、実在する道路ネットワークをモデルとし、そのモデルの特徴量を再現する仮想道路ネットワークを生成することである。実在する道路ネットワークのデータはフリーの地図情報データベースであるOpenStreetMapから取得した。取得したデータから道路ネットワークの特徴量を求め、その特徴量を持つ仮想道路ネットワークはL-systemにより生成した。L-systemの入力パラメータは機械学習による回帰によって求めた。複数の都市の道路ネットワークをモデルとして実験を行った結果、L-systemのパラメータを適切に定めることで、定義した道路ネットワークの特徴量のうち、複数の特徴量を再現するような仮想道路ネットワークを生成できることを確認できた。
著者
野田 陽
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.3Rin423, 2020 (Released:2020-06-19)

GANを用いた圧縮センシングでは、密な観測データを別に用意して学習を行った後に、運用段階において少数の観測センサ値からの真値の回復を図る。しかし先端的な計測分野では、元となる密な真値が計測不能である場合がある。そこで観測対象が有限の状態しか取らないことを仮定した上で、少数の観測センサ値群を多量に使って、状態ごとの真値示す関数を獲得するGANに似たアルゴリズムを提案する。シミュレーション実験により、状態変数の次元が十分に小さければ真値関数を近似できる事が確認された。この関数を回帰関数として用いる事で、1セットの少数観測センサ値から、空間全体の真値の予測分布を計算できるようになる。