著者
大礒 幸雄
出版者
JAPAN MACRO-ENGINEERS SOCIETY
雑誌
MACRO REVIEW (ISSN:09150560)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.2-7, 1988

宇宙は,大昔から人類の思索の対象,哲学の源泉でもあった。しかし,20世紀後半の自然科学と技術の発達は,この宇宙の神秘のヴェイルを,徐々にではあるが遠慮するところなく引きはがし,人工的に宇宙を利用しはじめている(宇宙時代の到来)。 ミサイルの核弾頭をSDIにより宇宙空間で破壊してどちらが宇宙条約の違反国であるかを論じても後の祭りである。 地球を取り巻く自然は,無限なのではなく,代替性のまったくない超希少資産であることを認識すると,先端科学を駆使する宇宙施設の利用方法(宇宙時代構想―SAI)について,原水爆以上に人類は「畏れ」を払うべきである。 米ソ両国を含めた全世界の経済構造を完全な民需構造に計画することは,衛星センサーとコンピュータにより可能となってきた。各国の経済政策および地球的大規模事業のガイドラインとしての世界経済構造計画を提唱するものである。