著者
千種 雄一 大竹 英博 松田 肇
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.345-349, 1998
参考文献数
26
被引用文献数
3 5

フィリピン共和国・東ミンドロ州・カラパン市のホテルの一室にて43歳の健康な男性が飲みかけの缶ビールを飲もうとした時に口唇に異物感を覚え吐き出した。缶ビールの注ぎ口に多数のニクバエ科の1齢幼虫を見い出した。幼虫及び室内を飛んでいたニクバエ科の雌成虫を捕獲して精査した結果, ツノアカニクバエSarcophaga ruficornis (Fabricius)であった。本報はビール等の飲みかけのアルコール飲料によっても消化器ハエ症を起こす可能性のあることを指摘する。