著者
大谷 加代子
出版者
山野美容芸術短期大学
雑誌
山野研究紀要 (ISSN:09196323)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-9, 2008

美容やファッションについて語る際、カタカナ表記の外来語は、斬新さやおしゃれ感を出すために、今日なくてはならない存在になってしまった。「新しさ」と「かっこよさ」が命の美容の分野では、人々は外来語を用いなくては満足に語れないほど、外来語の浸透が目覚ましい。さらにそこでは、外来語は既存の同意語と住み分けするために、速い速度で意味や用法が進化する。最近の大きな言語変化のひとつにアクセントの平板化がある。従来起伏型で発音されていた外来語が、平板型で発音され出したのだ。この現象は美容分野に限られたものではないが、カタカナ語が氾濫する美容分野を例として観察することによって、その実態を部分的にでも把握したいと考えた。「専門家アクセント」とも呼ばれる平板アクセントへの移行はどれほど進んでいるのだろうか。そしてそれは何を意味しているのだろうか。