著者
大谷 博俊
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.321-331, 2005-11-30

知的障害養護学校高等部に在籍する、音声表出が認められず、強い他傷行動がみられる自閉性障害の一事例に対し、写真・PCS (picture communication symbols)カード(以下、絵カードとする)・VOCA (Voice Output Communication Aids)などのAAC (Augmentative and Alternative Communication)手段を使用し、個別の指導計画に沿って自立活動の指導を行った。その結果、コミュニケーションが拡大し、問題行動は減少した。本研究の結果は、木工製品作り、数や言葉の学習などの授業の流れを大切にしつつ、写真・絵カード・VOCAなどのAAC手段を使用した自立活動の指導は、有効であることを示唆している。
著者
大谷 博俊
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.235-242, 2002-07-31

本研究では知的障害養護学校の高等部の生徒を対象として行われたボランティア体験学習の授業について、授業批評・生徒の学習活動に対する批評・批評者の学習活動に対する社会的妥当性の評価の3点(以下、3つの視点)から分析を試みた。その結果、ボランティアセンターでのテレホンカードの整理は、本研究の対象生徒の活動内容・活動場所として適切であることが3つの視点から明らかにされた。さらに分析対象の授業の改善に3つの視点が影響を与えたことが明らかにされた。